麦・米・豆味噌。気になるあれこれ徹底的に比較してみました。  

味噌は全て大豆を主成分としますが、それ以外の原材料、つまり使う麹によって、米味噌・麦味噌・豆味噌の3種類に大きく分けられます。

米麹を使う味噌は米味噌、麦麹を使う味噌は麦味噌、そして大豆を全て麹にして仕込む味噌を豆味噌と言います。

米味噌とは

米味噌とは麹を作るのに米を使うものを言います。
蒸した米に麹菌を接種し、麹菌を増やし、それに大豆と塩を加え発酵させます。

全国的に使われる米味噌ですが、地方によって味に特徴があり、寒い地方では塩辛く、西に行くほど甘くなる傾向にあります。
寒い地方では体を温めるのに塩が必要なため、塩分の高い味噌を作るようになったと言われています。

米味噌の中では大きく分けると「赤味噌」と「白味噌」があります。
赤味噌も白味噌も原材料はどちらも同じ大豆と米麹ですが、麹を作る菌の種類、仕込み方、熟成の長さなどにより違いが出ます。

白味噌

白味噌の麹菌は甘みを出しやすく、茹でた大豆を使うことが多いようです。

関西では、お正月の雑煮に使う塩分の少ない甘みの強いものを白味噌と呼ぶことが多いですが、関東から信州にかけては、色が薄い味噌を単に白味噌と呼ぶことが多いようです。

赤味噌

赤味噌の麹菌は、味噌のタンパク質を分解して、旨み成分の元であるアミノ酸を出しやすい特徴があります。

旨味を出すためゆっくりと熟成させる必要があり、また蒸した大豆を使うことが多いようです。

米麹は癖が強くなく、米と大豆のバランスが良いため、どんな料理にもよく合い、使いやすい味噌です。

麦味噌とは

麦味噌は麦の麹を使っている味噌です。
甘みと旨みが特徴で、産地によってそれぞれの旨みがあり、味噌汁はもちろん、そのまま味わう、野菜スティックや味噌漬けなどに多く使われています。

生産地は主に四国、中国地方西部、九州です。
これらの地方では麦の白味噌が多く、北関東では大麦を使った赤味噌が作られています。

生産量は、全体の5%ほどと決して高くはありませんが、これらの地方だけでなく都心部でも人気が高まりつつあります。

その理由として、「塩分の低さ」が挙げられます。

他の味噌に比べ麦味噌は、大豆に対して混ぜる麦麹の割合が多いことが特徴です。
大豆の腐敗を防ぐために入れる塩が少なくて済むので、塩分の少ない健康に良い味噌ができるわけです。

その他にも、水溶性食物繊維を豊富に含むことから、便秘対策など腸内環境の改善に効果的とされています。

塩分を気にされている方や健康志向の方は、麦味噌を選んでみるのもいいかと思います。

豆味噌とは

豆味噌は、名古屋を中心とした中京地域で作られています。米麹の代わりに豆麹を使います。
したがって原材料は大豆と塩のみになります。

米麹の赤味噌よりもより熟成期間が長いので、色は赤みがより強く、大豆のたんぱく質の分解によるアミノ酸が多く独特の風味を持っています。
米を使用しないため、甘み成分が少なく、渋みや旨みが増しています。

豆味噌は、味噌煮込みうどん、味噌カツ、味噌おでんなどの中京の食文化に欠かせない存在です。

また、和食で欠かせない赤出しも、豆味噌を使うことが多いようです。
独特の風味が慣れない人には強すぎると感じるかもしれません。

昔は塩分の強いものが多かったのですが、最近の健康志向により減塩のものも販売されています。

まとめ

  • 味噌は大きく分けると3種類で、全国的にみると米味噌が多い
  • 麦味噌は、四国、中国地方西部でつくられ塩分が低く、健康志向の方におすすめ
  • 豆味噌は、名古屋を中心とした中京地域で親しまれ、味噌カツなどの食文化に欠かせない存在

米・麦・豆、それぞれの麹によって風味や味に違いがある味噌。
季節や場に合わせて楽しみたいですね。