血糖値が気になる人へ!甘酒との上手な付き合い方

美容と健康への効果が各種メディアで取り上げられ、大注目を浴びている甘酒。
「飲む点滴」とも呼ばれ、一時はスーパーで売り切れてしまうほどブームになりましたよね。

甘酒は美容と健康に良い成分が含まれていて、私たちの健康づくりをサポートしてくれます。

しかし、糖尿病の方血糖値が気になる方には注意が必要な飲み物です。

今回の記事では、血糖値が気になる方にはぜひ知っておいてほしい甘酒と血糖値のお話しをしていきます。

甘酒は美容と健康に良いけれど、血糖値をあげてしまう?

甘酒は美容と健康によいとされる飲み物ですが、糖尿病や血糖値が気になる方にとっては少し注意が必要な飲み物です。

特に糖尿病と診断されている人は、『インスリンの分泌』や『血糖値のコントロール』が上手にできていないので、次の点に注意しておきましょう。

血糖値と糖の関係

私たちが食べ物を食べると、炭水化物(でんぶんやショ糖など)はブドウ糖に分解されます。
このブドウ糖を小腸で吸収し、門脈と呼ばれる血管を使って肝臓へ運びます。

次に、ブドウ糖を受け取った肝臓は血液中にブドウ糖を供給します。

食事をするとこの経路で血液中のブドウ糖濃度が上昇します。
血糖値は、この時のブドウ糖の濃度のこで、1dL中に何mgのブドウ糖が存在するかを表している指標です。

消化吸収に時間がかかるものを食べれば血糖値はゆるやかに上昇し、ブドウ糖を直接体内に入れると血糖値の上昇は非常に早くなります

そして、上昇した血糖値は『インシュリン』というホルモンで正常な値に下げるように命令されるのですが、
糖尿病になるとこの命令系統がうまく働いていないため血糖値がコントロールできないという状況に陥ります。

これが、血糖値と糖質、糖尿病の関係です。

米糀で作った甘酒の甘さはブドウ糖由来


次に、米糀で作った甘酒の成分についてみていきましょう。

米糀で作った甘酒は、米と米糀を発酵させて作ります。
非常に甘くておいしい味をしている飲み物ですが、ほとんどのものは砂糖は一切使われていません。

つまり、米糀で作った甘酒の甘味は自然由来の甘味なのです。

では、「自然由来の甘味=健康に良いからたくさん摂っても良い」ということになるのでしょうか。

実は、発酵の過程で天然の甘味が作られるメカニズムは「でんぷんがブドウ糖に変換される」ということから起こっています。

先ほどご説明した通り、ブドウ糖を直接体に入れると、血糖値の上昇は非常に早くなります
よって、血糖値を急激に上昇させるため糖尿病の方が甘酒をたくさん飲むということはあまりおすすめできません

酒粕由来の甘酒なら飲んでもOK?

甘酒には、米糀由来のもとの酒粕由来のものがあります。
酒粕由来の甘酒は、清酒を絞った残りカスに水と砂糖を加えて作るものです。

自作する場合は糖質の量をコントロールできるので、糖尿病の人でも飲めるんじゃないの?と思うかもしれません。

しかし、酒粕由来の甘酒からは糀菌由来の酵素は摂れないので、甘酒を飲む目的によっては希望する成分を摂れない可能性もあります。

血糖値が気になる人は甘酒を飲んではいけないの?

血糖値が気になる人が甘酒を飲むときに気を付けたい点と、おすすめの取り入れ方をご紹介します。

ポイントその①ゆっくり飲む

血糖値が気になる方が甘酒を飲む場合、ゆっくり飲むようにしてください。

置き換えダイエットのように食事を置き換える目的であれば、
30分くらいかけてコップ1杯をゆっくりと、食事をする時間と同じくらい時間をかけましょう。

また、甘酒が好きだから飲みたい、おやつや間食に取り入れたい、という場合は、
コップ1/2程度を同じくゆっくり時間をかけて飲みましょう。

甘酒を一気飲みしてしまうと、血糖値が急激に上昇する可能性があるためです。

ポイントその②低血糖に陥ったときに飲む

糖尿病の薬を飲んでいる方の中には、低血糖状態を経験した方もいるのではないでしょうか。

低血糖状態になったときは、体内の血糖値が下がっている状況なので、血糖値を上げなければなりません

一般的には、チョコレートやアメを食べるように指導されることが多いでしょう。
それらはお砂糖やブドウ糖がたくさん入っているためです。

よって、甘酒もブドウ糖を多く含み血糖値を上げやすい飲み物なので、低血糖状態になってしまったときに飲む飲み物として活用しても良いでしょう。

甘酒は、血糖値を上昇させやすい飲み物なので、血糖値が気になる人には注意が必要です。

甘酒との付き合い方も血糖値が気にならない方とは異なりますので、生活の中に上手に取り入れられるといいですね。

もっと知りたい!甘酒パワーと選び方のコツ

自分にぴったりの甘酒選びの参考にご覧ください。
また、ご自宅で簡単に作ることもできます。